妊娠中だけどハチミツを食べたい「はちみつが大好きです」という女性に聞かれる質問の中に、
「妊娠中にハチミツを食べても大丈夫なの？」という声があります。
はちみつは1歳未満に与えてはいけないと言われておりますが、おなかの中の胎児への影響が心配になりますよね。
今回は、はちみつを妊娠中に食べても良いのか？また、妊娠中にハチミツを食べることのメリットとデメリットについて、お話していきます。
妊娠中にハチミツを食べるデメリット
妊娠中にハチミツを食べる際には適量(1日スプーン1杯～2杯)であれば問題ないと言われております。
ですが、食べすぎや食べ方などに寄ってはデメリットがある場合がありますので、そのお話をしていきます。
妊娠中の食中毒
最初にも出てきましたが、ハチミツは1歳未満のお子様には与えてはいけないと言われています。
なぜなら、屋外で採蜜（ハチミツを採る作業）をすることが多いはちみつには、乳児の食中毒の原因になるボツリヌス菌という土壌に生息する菌が入り込む可能性があるからです。
このボツリヌス菌が免疫能力が低い1歳未満のお子様の体内に入ることで、増殖して食中毒症状を引き起こすのです。
また、1歳以上のお子様や成人でもボツリヌス菌が繁殖した食べ物を摂取したりすると、食中毒症状が出る場合もあります。
「そしたらハチミツも危ない場合もあるのでは？」と、考える方もいらっしゃいますがが安心してください。ハチミツの中ではボツリヌス菌は繁殖することが出来ません。
なお、
- 蓋をあけっぱなしにする
- 高温多湿の場所に置く
- 唾液のついたスプーンなどをハチミツに入れる
- 水分を加える
この4つを行った場合は例外となりますので、保管の際にはご注意くださいね。
もちろん！僕たち養蜂家はボツリヌス菌がハチミツに混入しないよう細心の注意を払っていいますが、絶対とは言い切れないので注意喚起を行っています。
胎児への影響は？
ボツリヌス菌による食中毒は、菌が出す毒素によって起こります。母親がボツリヌス菌食中毒になった時には胎盤を通して胎児への影響があるかもしれません。
実際に、妊娠中にハチミツを食べて胎児に影響があったという話は聞いたことはありませんが、リスクはあるという事を知っておいてください。
もし、そのままハチミツを食べる場合はスプーン1～2杯程度にして、体調が悪い場合や免疫力が低下しているときには、しっかり加熱してから召し上がる事をオススメいたします。
また、食中毒から胎児を守るには、ハチミツだけではなく野菜などはしっかりと土を洗い流したり、生ものを避けるのも必要だと言えます。
妊娠中にハチミツを過剰摂取すると糖尿病になるリスクが
妊娠中にハチミツを食べ過ぎる妊娠糖尿病になるリスクが高まります。
妊娠中は血糖値を調節してくれる働きをもっているインスリンの分泌量や働きが不十分になり、血糖値が上がりやすいと言われています。
また、妊娠中は胎盤から分泌されるホルモンや酵素の影響で、インスリンの働きが鈍くなったり壊れたりすることも、血糖値が上がりやすくなる原因です。
そんな時に、ハチミツとは言え糖質を採りすぎてしまうと血糖値が大幅に上がり糖尿病になってしまう場合があります。
また、血糖値が上がると肥満の原因にもなってしまいます。ハチミツの糖分は砂糖とは違って、いち早く体に吸収されますがやはり食べ過ぎは良くないですね。
■妊娠糖尿病にならないハチミツの食べ方
妊娠糖尿病にならないハチミツの食べ方は、適量を食べる。それだけです。
適量とは、おおむねスプーン1～2杯程度のことを言います。ただ、他の糖分も多く採ってしまうとそれも糖尿病の原因になってしまいますので注意が必要です。
また、食べる際には寝る前や朝起きた時がオススメです。
妊娠中にハチミツを食べるメリット
妊娠中にハチミツ食べるデメリットをお伝えしてきましたが、食べ方に注意すればそれほど危険ではない事がわかってもらえたと思います。
次は、ハチミツを妊娠中に食べるメリットについてお話していきますね。
妊娠中体力低下をハチミツは補ってくれる
ハチミツの主成分はブドウ糖や果糖です。これらの糖には疲労回復効果があるため、ハチミツのお効能として疲労回復があります。
また、ブドウ糖や果糖は『単糖類』と言われており、摂取するとすぐに分解されてエネルギーになるため、妊娠で低くなった体力を補ってくれます。
さらにハチミツは睡眠をサポートしてくれます。
■ハチミツが睡眠をサポートする理由
睡眠不足の原因の一つに睡眠中の『低血糖』があります。低血糖状態になると、夜中に目が覚めたり歯ぎしりなどの要因になります。
ハチミツを寝る前に食べることで、睡眠中の低血糖が改善されるので睡眠の質が上がるのです。
妊娠中の便秘を和らげてくれる
妊娠中は女性ホルモンのバランスの崩れや体内の水分の減少により、便秘になりやすいと言われています。
そんな便秘の改善にハチミツが役立ちます。なぜなら、ハチミツにはオリゴ糖やグルコン酸が含まれているからです。
オリゴ糖は、ビフィズス菌など腸内細菌のエサになり活動を活発にさせます。また、グルコン酸は腸内細菌を増やす働きをするため便秘の改善に役立ってくれるのです。
体調を整えて健康維持に役立つ
妊娠中は胎児への影響を考えて薬の使用を控える方が多いと思います。薬を使わないためには、健康維持が大切です。
そんな健康維持にハチミツは役立ちます。ハチミツには抗菌や抗炎症作用があるグルコン酸やフラボノイドなどが含まれており、健康の維持を助けてくれたり軽い風邪の症状などを和らげてくれます。
また、鉄分やミネラルなどの栄養素が日頃の健康維持に役立ちます。
ハチミツを妊娠中に食べても大丈夫なの？
今まで、妊娠中にハチミツを食べることについてお話してきました。
結論としては以下のようになります。
- 食べる量を1日スプーン1～2杯程度
- デメリットはあるが食べ方や保管に注意
- 免疫が下がっているときは食べない方が良い
- 妊娠中の女性をサポートしてくれる
このように、当ブログの結論としては妊娠中の女性にとっても嬉しいメリットもあるので、ハチミツを適量食べる分に大丈夫となりました。
ただ、免疫が低下しているときに食べたり、保管状態が悪いハチミツを食べるとボツリヌス菌による食中毒のリスクが高まる場合がありますので、ご注意ください。
今回は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
では、次回をお楽しみに。
